主催のプログラム

アートに関する権利保護セミナー「大切なアートのお話」実施報告書

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2020年1月11日(土)広島市心身障害者福祉センター会議室にて、アートに関する権利保護セミナー「大切なアートのお話#2」を実施しました。

午前の部18名、午後の部18名、半日のみの参加者が2名おられたため、全部で20名の方が参加されました。

【午前の部】

前半は、弁護士の三浦友美先生に「アートにまつわる権利と契約」と題して、作品の著作権、所有権とは何か、どんなことを示しているのかを、丁寧に分かりやすくお話いただきました。合わせて、創作活動をサポートする際に気をつけておくことを、よくあるケースを例にして考えていきました。

最近は、作品の貸し出しや、データの二次利用、作品の販売などの事例も出てきていることから、事業所と利用者さんのアートに関する取り決め(契約)についても教えていただきました。

後半は知的財産研究家の加藤直規先生に「利用・保管・廃棄について」と題して、事業所の自主製品に使用していく場合と、外部から作品の利用の申し出があった際に契約をどのように考えていくのか、手続きの流れに沿って説明いただきました。

また、ワークショップや他のセミナーで作品の保管についての質問が多く寄せられることから、保管や作品を廃棄する時の考え方と方法を提案していただきました。

質疑応答の時間では
昔の名画を題材として制作することについての質問がありました。

【午後の部】

法テラス埼玉法律事務所 弁護士の水島俊彦先生をお招きして、講義「意思決定支援の基本的な考え方」とロールプレイを行いました。

講義では、意思決定支援の難しさや意思決定支援をするために、大切にしていきたい基本的な視点などについてお話いただきました。聞きながら、自分が日頃どのように、接しているかを振り返ることができました。

ロールプレイでは、意思決定支援の一つのツールである、トーキングマットを使う体験をしました。3名1グループに分かれ、練習を含め、3回テーマごとに聞き手、話し手、オブザーバーと役割を変えて取り組みました。

話し手の役割を担う人は、あらかじめ用意された人物像を演じます。
聞き手役の人は、簡単な人物像の情報のみで、
トーキングマットを使いながら、話し手役の気持ちを引き出そうとします。
聞き取る内容は「好きな活動」や「休みの日に何がしたいか」などシンプルな内容でした。
みなさん一生懸命。しかし、気持ちばかり早って、なかなか話し手の思いをつかめません。

聞き手、話し手、オブザーバーの体験を通して、意思を引き出していくことの難しさや、伝えたいのにうまく伝えられないもどかしさ、話し手の意思が本当に正しいと言い切れないのにオブザーバーしていくことの大変さを感じました。

セミナーを通して、支援の必要な人が、何をどのように感じ表現しているのか、表現の裏(見えない部分)に本当の思いがあるのではないかと思いをめぐらせることや、常に意思を確認しようとする姿勢が何より大切だなと思いました。

参加いただきました皆様、講師いただきました三浦先生、加藤先生、水島先生、学び多い時間をありがとうございました。

(アンケートより)

初めて参加しました。午前の部の”権利と契約”かたい話かな?と思いましたが、分かりやすくお話しされていたのでよかったです。午後の部も、トーキングマットを初めて体験してよかったです。

いつも、このぐらいはよいだろう?この場合は大丈夫か?と迷うことが多かったですが、権利と法的なことについて知ることができてよかったです。

作品の保管について、留意しなければならないことが分かり、大変参考になりました。作品リストを作成して、残す作品を絞り込んでいく方法も参考になりました。

ロールプレイを行うとうまくいっていないことはわかっていても、それを具体的に修正していくことができませんでした。役には立つが、難しいと感じました。

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