主催のプログラム

活動報告 おきらく劇場ピロシマ演劇クラブ⑧ 2020,1,19

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2020年最初の演劇クラブの開催が1月19日(日)14時~16時、広島市中央公民館の大集会室2で行われました。この日は会場に10人の参加者が集まりました。

今回の演劇クラブはこんなことから始まりました。お互いの手を触り合い、手の温度を確かめ合います。人によって手の温もりはそれぞれです。参加者はお互いの手に触れ合いながら、発見をします。「わあ!温かい!」「ひんやりしてるね~」

今度は手の温度が近い人同士でペアになり、手のひらを合わせて押しあいをします。ただ力任せに押し合いをするのではなく、相手の手のひらの力に応えるように、会話するように動かし合います。

終わった後に、もう一度お互いの手に触れ合うと、あれ?

少しお互いの体温が近づきあったように感じます。短い時間ですが、場所と時間、活動を共にしていると段々身体の温度が互いに近寄っていくのかもしれません。講師の坂田さんも「発見だね!」とニコニコしていました。

演劇クラブが始まる前に、講師とファシリテーターで活動について意見を出し合い、目的をハッキリとさせ、また、参加者からどんな反応があるだろうかと考えています。このように事前に考えることも多いですが、クラブが終わった後は、始まる前に考えていたことよりもたくさんの発見があります。今年から始まった演劇クラブは少しずつですが、私たちファシリテーターも参加の皆さんと一緒に毎回様々な発見をし、学びの場となっています。

続いては、「落ち込んでいる人を励ます」というテーマで即興の芝居を行いました。ルールはとてもシンプルです。
落ち込む人と励ます人に分かれます。落ち込む人は、どんなことが起きたのか想像し、落ち込んでもらいます。一方で励ます人は、落ち込んでいる人の気持ちを想像し、自分なりの方法で気持ちが変わるようにアプローチをします。

励まし方は十人十色です。優しい言葉をかける人もいれば、手を取り、黙って側にじっと寄り添う人、微笑みかける人………様々です。

誰かを励ましてあげる時に正解はありません。なかなか元気になってはくれない人に対して、皆迷いながらも、相手の気持ちに寄り添ってあげようと試みます。中には、自分が落ち込んでいたはずなのに、励ます役の人が隣の席でさらに落ち込み始め、その人のことが心配になり、最終的に落ち込んでいた気持ちがどこかに行ってしまったという方もおられました。

この芝居を通して、参加者は人の気持ちの複雑さ・豊かさ・おもしろさを体感します。

立ち直れないほど落ち込んでいる時、その人の状態は様々です。前向きな言葉が胸に沁みないこともあれば、誰にも会いたくないと感じることもあるでしょう。反対にほんのちょっとしたことで気持ちが大きく変わることもあります。こんな風に人の気持ちは気まぐれです。けれど、その時その場所に一緒にいる様々な人たちが、その時感じている様々な思いを、結びつけていく力が演劇にはあり、その結びつきの中から生まれる空間、そこから生まれてくる表現は、かけがえのないものだと私は感じています。

次回の演劇クラブは3月20日(金・祝)14:00-16:00 広島市心身障害者福祉センターでの開催です。ご興味ある方はぜひ会場へ足をお運びください。見学も随時お受けしております。

(報告:山田めい)


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