12月12日木曜日、太田川学園様にて第3回アートサポータミーティングを開催しました。
6施設から、15名の方が参加されました。
この会議は、障がいのある方の創作活動をサポートされている方が、アート活動に関する情報や意見交換、アートに関する勉強会などを行い、繋がりを広げ、深めていくことを目的として開催しています。
今回は太田川学園様の創作活動の様子を見学させていただきました。
太田川学園は昭和41年12月に設立されました。
施設の入り口にある、地域交流センターから、一番遠い棟までは750メートルあります。とても広い敷地内にいくつかの建物が建っています。
一番遠い棟の前には、一人の利用者さんが管理されている農園がありました。鹿、猪などの動物が入らないように、たくさんのパイプを使って囲いがされていて、中の畑には野菜が植えられていました。全てを一人で手入れをされているとのことで、一人でよく作られているなと感心したと同時に、利用者さんのやりたい事を、楽しく見守っておられる施設の姿勢が素敵だなと思いました。
この日は、毎月2回開催されている「書は楽しい」がありました。
書道家の椎木剛先生と、利用者さんが書道に取り組まれていました。
先生もスタッフさんも利用者さんの行動を見守りながら、次の紙を用意したり、墨や水を足したりと、個々のペースで創作が進んでいました。
描きたいままに、自由に紙や墨を使って、のびのびと表現されていました。
また、先生からも「伝えたい技法などあるけれど、そのまま伝えることは難しいのでどうしようかなと思いながら取り組んでいる。」というお話を聞き、一人一人に真摯に向き合いながら制作をサポートされている姿勢を感じました。
約2時間の創作時間で、たくさんの作品が出来上がっていました。
見学の後、会議を行いました。
たくさんの質問が飛び交います。
Q:書道の先生とはどのようにして出会われたんですか?
A:利用者の保護者を通じて、知り合うことができました。書道は4年前に始まって、時間と場所だけを用意していきました。講師の先生をつけることが怖かったんですが、先生に会ってスタンスが一緒だとわかって本当に良かった。タイミングよく、細やかに見てくださって、一人一人に理解を示してくださっています。
Q:今日もたくさんの作品ができていましたが、保管方法と、出展する作品をどのようにして選んでいるか教えてください。
A1:基本的に作品は捨てないことにしています。ちょうど空いている場所ができたので、今はそこにまとめて保管しています。ただ、いつかはどうにかしなければいけないんだろうな……と思っています。
展示する作品選びは、いくつかあるの部署の代表が集まってできている、ギャラリー運営委員会があるので、その10名で決めていきました。創作活動に取り組んでいる方が約100人いるのですが、100人分の作品を選ばないといけないので大変でした。
A2:どうしても選考会があるものに出していますが、どの作品も見てもらえるようにしてあげることが、利用者さんたちのモチベーションにつながると思っています。展覧会に出せないものは、施設のお祭りや地域の文化祭に出すようにしています。出す機会を増やしていくことも自分たちの仕事かなと思っています。内部でも見ることで刺激を受けて、興味のあるスタッフが増えています。
その他、施設外での展示場所についての話や、創作に取り組むスタッフ体制について話しました。
最後に、椎木先生の「その人らしいもの、ありのままの姿を出していけるようにできればいいな」という言葉で会議は終了しました。
私たちがこれまで当たり前だと思っていた書道のイメージを取り外し、生き生きとした表情で自由に筆を動かされる利用者さんの姿はとても印象に残りました。
太田川学園の皆様、椎木剛先生、貴重な時間を過ごさせていただき、ありがとうございました。
次回は、3月5日(木)13:00から、社会福祉法人白鷺 あんずの家様で行います。施設を見学させていただき、合わせて、弁護士の三浦友美先生をお招きして、アートに関する権利の勉強会を行います。
ご興味のある方は、ぜひ広島県アートサポートセンター (070-5671-8668 )までご連絡ください。※水・日・祝日はお休みです。開所時間9:00〜18:00。