2019年9月1日(日) 広島市中央公民館にて、「広場をつくろう2019」舞台芸術(演劇)ワークショップを開催しました。
今年度最初の開催となったこの日は、参加者・見学の方・スタッフを含めて、36名が会場に集まりました。講師は昨年から引き続き宮崎・こふく劇場より、永山智行さんにお越しいただきました。講師と参加者をつなぐファシリテーターとして、山田めい、坂田光平が参加しました。
「今日は出会い系ワークショップです!皆さんたくさん出会ってくださいね」とニコニコ顔の永山さんの挨拶に、会場が笑いに包まれる中、ワークショップが始まります。演劇は英語で書くと「PLAY(プレイ)」、この言葉には「遊ぶ」という意味も含まれています。様々なコミュニケーションゲームで、遊びながら心と身体をほぐしていきます。
顔と顔が向かい合ったらハイタッチ!
同じ血液型の人同士で集まってみたら?
誕生日の順番に並んだらどうなるかな?今日は11月生まれの人がいっぱい!
演劇ワークショップの中で行われるこのようなコミュニケーションゲームは、同じ内容であっても、その日、その場所に集まってきたメンバーによって、その場でさまざまな出来事や出会いが生まれます。
目の前にいる人と、目の前で起きる出来事を一緒に感じて楽しむことは、演劇をしていく中でとても大切なことの一つです。
身体や声を使ったゲームを行いながら、私たちはどうやって伝えたいことを伝えているのだろうということも考えていきます。ペアに分かれて、「おはよう」「買って」「だめ」など短い簡単な言葉を交わしていきます。
言葉ももちろん必要ですが、その人の表情や声の高さ、間合いなど、私たちは言葉以外の様々な部分で、誰かの思いを感じたり、自分の思いを伝えたりしています。
今日このワークショップの会場には広島で演劇活動をしている方もいれば、全く初めての方もいて、そして、年齢・性別・職業・学校・障がいがある、ない、などいろんな違いのある方が集まりました。そんな中、目の前にいるパートナーの声色や、顔の表情、言葉と言葉の間合いを感じとり、言葉以外に相手を感じとれる方法を参加者は体感します。
たとえ相手が初めて会う人でも、自分の知っている言葉を話せなかったとしても、たくさんの方法で、私たちは思いを交わし合えるのだという希望を感じる時間でもありました。
最後はグループに分かれて、谷川俊太郎さんの詩「わたし」を朗読しました。
お父さんにお母さん、お友達に、動物に、虫に、宇宙人!にいろんな人や生き物になりきって自由に発表します。発表した人の数だけ、声、表情、身体の動きの表現が生まれました。会場では自然と笑顔や、笑い声が溢れていました。
この「広場をつくろう」のワークショップが始まって、今年で3年目ですが、今日の日も含めて、自分の中の勝手な思い込みがひっくり返される瞬間が何度もあります。
「子どもはそんなこと考えないだろう」とか「このゲームは◯◯さんには難しいだろう」とか、「知らない、だけど、こうなのでしょう?」という思い込みは、私たちの暮らす社会に壁を作り、いつの間にか壁の向こうの見えない相手のことを忘れさせてしまいます。
このワークショップは、参加された皆さんにとって、そんな壁をなくす、お互いに顔が見える、同じ場所に立てる「広場」になってほしいなと願っています。
「広場をつくろう2019」演劇ワークショップは多くの方にお申し込みいただき、定員に達したため既に受付を終了しています。
ですが、今月29日開催の「おきらく劇場ピロシマ演劇クラブ」は、余裕がございます。これは、月に1回、2時間、初めて会う仲間と一緒に演劇を体験する場です。気軽に参加していただける場として開催しています。1回でも、続けて参加しても大丈夫です。ぜひ、参加してみませんか?
[9月]おきらく劇場ピロシマ演劇クラブ
日時:9月29日(日)14時〜16時
場所:広島市中央公民館 大集会室1
参加費無料、どなたでもご参加いただけます。
ご興味のある方、ご参加を希望される方はぜひご連絡ください。