活動報告

神石高原町知的障害者(児)家族の会 ひまわり 様 指導者派遣 レポート

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3月9日土曜日、神石高原町知的障害者(児)家族の会 ひまわり 様からご依頼をいただき、指導者派遣を行いました。

※この派遣は家族の会 ひまわり様の主催で実施されました。

(講  師)粕谷 周二 先生

(活動内容)午前の部:いつもとは違う方法で好きなものを描こう。

      午後の部:大きな版画作品、共同作品を作ろう。

           文字を使って絵を描こう。

障がいのある方10名と、保護者・関係者8名 計18名が参加されました。

○午前の部

日常的に創作活動を行われていて、さらに表現活動を深めていきたいと希望される方と絵を描く時間をつくりました。

まず、いつもの様子を先生に知っていただくために、自分が描いている方法で絵を描きました。少し緊張した様子で、なかなか鉛筆が進みません。

「こうかな~?」「これは・・・」と言いながら先生にアドバイスを求めておられました。

ある程度、進んだのを見計らって、先生から本番用の用紙が渡されました。本番はできるだけ下描きをしないで、筆ペンやサインペン、絵の具を使って描いていきます。気持ちがほぐれたのか、先生の問いかけに応えるかのように、線や色が増えていき、勢いよく作品が出来上がっていきました。

先生はお母さんたちに、本人が自由に表現することの大切さと、側でサポートする人が気をつけること(認めることと評価の違い)などを伝えておられました。

○午後の部

午後からは、大人数で共同作品に挑みました。

まずは、版画作品です。色々な道具や材料を使って、2枚のスチレンボードに凹凸をつけていきます。始まると皆さんすぐに大きなスチレンボードに向かわれ、思い思いの道具を使い凹凸をつけておられました。

大きな作品なので、凹凸をつけること、ローラーでインクをのせること、紙をおくこと、バレンでこすること、紙を剥がすことなど、全ての工程をみんなで協力しながら進めていき、2枚の版画作品が完成しました。

2作品目は絵具を使って色を楽しむ制作です。机いっぱいに広げられた用紙に、カラフルな絵の具を使って線や形を描きます。

ルールは二つ。描いた線や形の上には絵の具を重ねないですき間をあけることと、絵具は混ぜて自分の好きな新しい色を作って良いけれど、筆は混ぜないことです。好きな色を持って大きな紙に色をのせていきます。

紙が大きいので真ん中までは手が届かず、机の上に乗って画面を埋めていく人も。

誰かの描いた、線や形が魚やロケットに変わっていったり、一つの点を中心に線が増えていったりと、最初の想像を超え、個性が混ざり合った楽しい作品が出来上がりました。

二つの作品が出来上がったところでブレイクタイムです。お茶を飲んで、一息つきます。

最後の作品作りに取り掛かる前に、先生が影絵遊びをしてくださいました。影絵を見て、何を映しているか当てるゲームです。

ゴリラの横顔かなと思ったらダルマだったり、ペンギンかなと思ったら醤油差しだったりと、物が重なり合うことで違った形があらわれてきたり、影で写し出される型だけを見るなど物の見方をかえると、新しいものが見えたりする可能性を知る時間となりました。

その学びを生かして、三つ目。漢レターを使っての作品作りを行いました。

アクリル板に漢レターシートを擦り文字を貼り付けます。文字を重ね合わせることで自分の表現したい形を描いていきます。

自分の好きな漢字や、描きたいものにちなんだ漢字を選ぶ方、初めの作業工程を楽しまれる方や、昔のことを思い出しながら取り組まれる方、自分と愛犬の名前を組み合わせて作品作りをされたりと、思い思いの作品が出来上がりました。

「魚編の文字」と「木」「〆」を使って出来上がった作品。

何か一つでも楽しめること、自分の中でハマるものが見つけられたらいいという先生の思いから、幅広い表現方法を体験することができました。

今回の制作を通して、少しだけ新しい視点をもっていただくことができたのではないかと思っています。皆さんとても熱心なので、次回、お会いした時にまた新しい作品を見せていただけるのではないかと、今からとても楽しみです。

家族の会ひまわりの皆様、粕谷先生、楽しい時間と多くの学びをありがとうございました。

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