ウタとナンタのピロ電まつり 無事終了しました。
3月1日・2日に上演しました、おきらく劇場ピロシマ公演「ウタとナンタのピロ電まつり」は、各回全て満席となりました。昨年に続く「ウタとナンタシリーズ第2弾」として、人間と猿猴(かっぱ)の交流を描いた作品です。
演出家の永山智行さん、脚本を書いていただいた柳沼昭徳さんが、このプロジェクトにお気持ちを寄せてくださり、厳しいスケジュールや難条件を調整していただき、なんとか実現することができました。しかし、何と言っても一番は、本番までの稽古スケジュールが集中的に9日しかない!それも、仕事や学校終わりの夕方から夜まで!という、厳しいハードなスケジュールを乗り越えてくれた俳優の皆さんの気持ちの賜物だと思います。短い時間で、作品をつくるという時間との闘いになりました。期日に合わせて、自分の気持ちや状態を持っていく経験の少ない人たち・子どもたちにとって、疲れが出たり、集中できなかったりと大変な期間だったと思います。他の俳優さんたちは、仕事終わりに稽古に駆けつけ、稽古終わりに仕事に戻ったり…。そんな日が続きました。
しかし、本番が近づくにつれて、現場の空気が変わってきます。「一つの作品をつくる」その思いは、俳優、裏方スタッフみんな一緒でした。
「この現場は、楽しい。」「他の現場と何か違う。」俳優さん皆さんがおっしゃいます。演じない私にはよくわかりませんが、それは、きっと一人一人が大切にされ、なくてはならない存在であることが実感できるからではないかと思います。それは、稽古の時から感じられます。
稽古を休んでいる人がいると、誰ともなく「~さんは?」と声が出ます。遅れてくると「~さん来た!」と嬉しそうな声がかかります。稽古の休憩中には、チームで自主稽古になります。何回やってもできないセリフを繰り返し練習します。遠慮なくダメ出しもします。本番前には、「あれだけ練習したからだいじょうぶ!」と励まします。演じるという虚構の世界なのですが、彼らとともに創る作品には、真実とそこに生きている現実があります。一つの目標、作品を作るということを前にすると、障がいがあるないではなく、舞台を作る仲間として人として向き合うことが必要になります。どうすれば、自分たちの思い描く作品が作れるのか、試行錯誤が生まれます。一方で、今をそのまま表現する人がいて、そこで、心が交わり合う瞬間があって…
うまく伝えられないので、興味のある方は、ぜひ、一緒にやりましょう。
今回の公演には、高校生がボランティアとして手伝ってくれました。彼らがいなければ、公演は成立しなかったというくらい、裏方として動いてくれました。「これまでに、こんなにたくさんおにぎりを作ったことがない。」というくらい、おにぎりを作ってもらいました。急に、「これお願いします。」と衣装がえの手伝いをしてもらったり。本当にありがとうございました。「楽しかった。」と言ってもらえたのが、嬉しかったです。また、おにぎり作るときには、手伝ってくださいね。
みんなで心を合わせた演劇のプロジェクトは、無事終わりました。きちんと報告書を作成して、改めて、ご報告したいと思います。
このプロジェクトは、必要とされているし社会を変えていく力があると確信しています。しかし、継続していくためには、たくさんの課題をクリアしていく必要があります。参加しやすい環境づくり(障がいのある人の移動方法、一般の皆さんの自己負担の軽減 など)、活動資金、支援者を増やすことなど。これらを一つ一つ解決していきたいと思います。
再演のご依頼も受け付けています。公演をするには、諸条件の調整が必要になりますが、遠慮なくご相談ください。
共感いただいたみなさまには、社会にこの取り組みを知ってもらうこと、誰かに伝えていくことにご協力をいただけたら幸せです。
担当:鰐川華衣