2018年8月11日に行われた、
福祉&演劇セミナー「広場をつくろう2018」〜共に創ることで生まれる関係の可能性〜
に参加しました。
第1部は、講師の吉野さつきさんが、障がいのある人の表現活動の流れについてお話しくださいました。活動の種まきの時代から、基盤作りとなった10年間の話をうかがう中で、活動の起点となった取り組みやつながりなどがとてもよくわかりました。種を蒔かれた時代から、各団体がオリジナリティを出しながら継続し成長している様子がよくわかりました。
もうひとりの講師の永山智行さんからは、障がいのある人と一緒い取り組んでいる「まあるい劇場」のプロジェクトを始めたきっかけや、今日まで取り組まれている想いを聞きました。継続することは容易ではなく情熱を持って取り組んでこられた強い想いを感じました。私たちの活動は、まだ芽を出したばかりの2年目で、これから様々な壁に直面すると思いますが、みんなで力を合わせて乗り越え、継続していきたいと強く思いました。
障がいのある人たちが取り組む舞台表現分野の課題や、必要な取り組みにもふれていただきました。
第2部は、昨年度厚労省の事業を一緒に取り組んだ山田めいさんと坂田光平さんの実践発表と、アドバイザーを交えたディスカッションでした。演劇の専門スキルを持つ2人が、未知の福祉の現場で障がいのある人とともに演劇に取り組んできたことについて、彼らの迷いや不安、戸惑い、喜びなどを交えた報告でした。現場からの迷いや不安の声に、アドバイザーのお二人から「答えや正解はきっとない。みんなが使えるマニュアルもない。試行錯誤しながらその時にいいと思うことを全力でやっていくことが、一番大切なこと。」「相互にやりとりがあることが大切。その中から何かが生まれる。その人と人との出会い(出会いから生まれる物語)を楽しむことが大切。」ということを教えていただきました。
「障がいのある人と一緒に演劇(作品)を作りたい」という、まっすぐな強い想いが、人と人を結びつけたことを改めて感じました。人が集まり、繋がり、ぶつかり、認め合い、強い絆が生まれていく中で、対等な役者として成長し合い本番の舞台をむかえた姿を思い出しました。
最後に、永山智行さんがおっしゃった、「表現することは、引き受けること」という言葉が、今でも頭の中をめぐっています。この言葉の重み、深みを体感できるようになるまで皆さんと、一緒に進んでいきたいと思いました。
アートサポートセンタースタッフ 鰐川華衣
主催のプログラム