2017年2月19日
合同スキルアップセミナー&ワークショップ 〜アートの取り組み方〜 開催
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2月19日(日)に合人社ウェンディひと・まちプラザにて、広島県・広島市・NPO法人ひゅーるぽん合同セミナー「障がいのある人のアート活動を支援する人たちのためのスキルアップセミナー&ワークショップ〜アートの取り組み方〜」を開催いたしました。
18日に引き続き、講師として滋賀県にある『やまなみ工房』施設長の山下完和氏とスタッフのみなさんをお迎えし、セミナー&ワークショップと作品解説を開催しました。
はじめに、講演「ぼくの色、私のカタチ〜やまなみ物語」と題してアートに取り組む上で大切にしていること、アート活動の実際の取り組みについてお話いただきました。
やまなみ工房を利用されているアーティストの中には、作品を3日で描ける人もいれば、2年かかる人もおられるそうです。はじめは1日1枚のペースで絵を描いてもらっていたそうですが、利用者さんに新しい紙を渡しそこなったことをきっかけに、今までの絵は完成していなかったことに気づかされ、作品の完成はこちらで決めつけてはいけないと学んだそうです。
また、利用者さんの自分がしたいと思う行動を何よりも尊重してあげること、「こうしましょう」ではなく「こうしたい」に気づいてあげる事が大切だと山下施設長はおっしゃいました。午後からは、同施設のギャラリーで開催されていた「広島市ピースアートプログラム アート・ルネッサンス2017」にて、展示いただいているやまなみ工房さんの作品を見ながら作者や制作のエピソードなど1つ1つ丁寧に作品解説を行っていただきました。
山下施設長のことが大好きな利用者さんの作品「まさとさん」。時にスタッフは一緒に恋バナをしたりと「まさとさん」への想いをどう表現するか日々考えておられるそうです。
山下施設長やスタッフのみなさんの話し方からも、利用者さんを想う愛情が感じられ、その場の来場者の方もにこやかに作品を見ては、頷かれている姿が印象的でした。
作品解説が終わってからも、山下施設長やスタッフの皆さんに個別で質問をしたり感想を伝える方が多く、非常に有意義で良い空間でした。後半は、やまなみ工房さんで日常的に取り組まれている手法を体験する、陶芸ワークショップを行いました。
参加者の皆さんは自由に粘土を使い、思い思いの形を表現していきました。やまなみ工房さんの作品を参考に、お地蔵様を作る方や、お腹が空いたらとステーキを作られる方もおられ、楽しいと感じて制作して欲しいというやまなみ工房さんの想いを、自ら体験することができました。アンケートから「ワークショップがとにかく楽しかった」「講演を聴き、自分の毎日とのギャップに悲しい気持ちになった」「心意気に胸が打たれました」などの感想をいただき、参加された方それぞれに多くの事を学び、考えるきっかけとなったセミナー&ワークショップだったように思いました。
セミナー&ワークショップにご参加いただいた皆様、遠方よりお越し下さったやまなみ工房の山下施設長、スタッフのみなさん、長い時間ありがとうございました。