主催のプログラム

2019ワークショップ4Discovery 実施報告

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

9月28日(土)広島市南区民文化センター美術工芸室にて「2019ワークショップ4 Discovery」を実施しました。

講師は、広島大学大学院教育学研究科 初等カリキュラム開発講座 准教授 池田 吏志 先生です。

施設の利用者さん、職員さん、支援学校の生徒さん、先生、個人で制作されておられる方など29名が参加されました。(申し込みが定員を越えてしまい、参加をお断りすることになり申し訳ありませんでした。)

創作に入る前に、先生よりサポーターの方に支援を変えてみること、発見することについてお話しいただきました。

このワークショップのテーマは「発見」です。

創作される方は、お気に入りの道具や画材を探したり、新しい道具の使い方を発見します。サポーターの方は、創作される方の興味・関心、道具の使い方を見ていただき、創作される方の新しい姿を改めて発見していきます。

色々な画材、素材、道具、資料などがあり、内容や題材も自由に、取り組んでいきます。場に馴染むことに時間がかかる方もおられるので、無理に制作する必要はなく、今の気分に合わせて過ごせる時間としました。

まずは、中央に置いてある、色々な材料をみんなで見ていきます。糸や毛糸などの紐類、ビーズやスパンコール、シール、ボタンなどの装飾素材、色紙、画用紙、ダンボール板、金封、領収書などの紙素材、その他、木片、筒、布、フエルトなど宝探しをしている気分で画材を選んでいきました。

気になった素材、馴染みのある素材など、思い思いに手に取り、創作開始です。

一つの素材にじっくり向き合い創作を進める方、色々な素材を使い、次々と作品を作り上げていく方、新しい画材にチャレンジされる方と、皆さん夢中になって取り組んでおられました。

表現活動には、経験や鑑賞を通して、刺激や情報を貯めていく時間も必要!!
本を眺めて過ごす方もおられました。
ワークショップ では、立場は関係なくみんながアーティストです。
時には、小さなアーティストから鋭い突っ込みが入ることもあります。

他の人の作品に影響を受けて、同じ素材を使ってみる方。いつも使わない画材を使ってみる方もいました。

ワークショップの終わりにはこのワークショップで生まれた作品や発見の軌跡を共有していきました。

これまで使ったことがない、絵の具で描いた作品。
素材の用途にとらわれずに新しい発想で作り上げた作品。
得意な技法はコミュニケーションツールになることを教えてくれた作品。
しっかり観察することで、小さな発見をたくさんしました。

最後に、池田先生から「表現」の捉え方についてや、大切なこと3つについてお話しいただき、ワークショップ が終了しました。

大切なことは・・・      

  • その人の生活の一部から生まれること
  • 表現は結果であり、目的ではないと捉えてみること
  • 問題行動は捉えようによっては表現になりうること

 (ワークショップ スライドより抜粋)

今回のように、制作のゴール(完成)を設定せず、自由に創作ができる環境を整えただけのワークショップは初めての試みなので、どのようになるか不安がありました。みなさん、たくさんの素材を目の前にして、気になるものを触りながら丁寧に選び、考え制作していきました。サポーターの方は、そのような表現が生まれる過程を見守りながら、「表現する」ということの意味を改めて見つめ直す時間になったのではないかと思います。

表現することを大切にした結果が「作品」であり、作品を作ることが表現の全てではないこと。表現はいろんなところで生まれていて、それに気づく視点を常に持っていることの大切さを実感しました。

参加者の皆さん、池田先生、貴重な時間をありがとうございました。

【アンケートより】

  • 楽しかった。また作りたいです。
  • がようしにボンドをつけました。ぐうぜん、ちょうちょができました。
  • 普段と違って、たくさんの素材を前にして、ワクワクしている利用者の様子が見れた。
  • 色々な素材に出会って、表現手段が増えた。参加して笑顔がいっぱい見れた。
  • みなさんが自由に作品を作っていて、完成を見てとてもおもしろかったです。材料の選ぶ姿も個性が出ていました。
  • 自分の作った作品を介すると、話も盛り上がるし、コミュニケーションもとりやすいなと思いました。鑑賞も良い時間にしていきたいと思いました。
  • 型にはまらない、楽しい。いろんな材料でいろんなことができる楽しさがみつかった。他の人の作品をみて、また新しい引き出しが増えた。
  • いろいろな素材そのものに触れることの大切さ、選択することの意義。いろいろな素材を組み合わせることの工夫、大切さを学びました。障がいをもたれた人の制作の集中力・意欲、作業の持続など、いつも自分の心を新たにします。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントを残す

*

CAPTCHA